Copyright © 2020 創世紀株式会社 All Rights Reserved.
建築設計業界の中で非常に人数が少ないといわれている分野、それは構造、設備です。その反対に一番多い分野というのが、「意匠設計」となります。意匠設計という仕事が何をするのかご存知だと思いますが、一番代表的な仕事といえば「建物のデザイン」ですね。何も無い真っ白な用紙に線を引き、建物を想像するのが意匠設計者です。そんな、クリエイティブでお洒落な存在ですから建築学科で人気があるのもわかります。 一方、構造というのは地味で目立たない。メディアに出ることも、ほとんど無いわけですから、構造設計の仕事というと、一般の方々はほとんど何も知りません。ただし、ここ最近、ようやく「耐震」という言葉が普及しているように思いますが、その耐震設計は、建築家がしていると思っている人がほとんどのようです。 それはある意味でしょうがないのです。なぜなら一般的に、お施主さん(建物を建てたい人。お客さん)とコミュニケーションをとるのは意匠設計者(いわゆる建築家)です。彼らが、建物のデザインを考えて、構造・設備の情報を統括します。個人的には、プロジェクトのチームリーダー的な存在であると考えています。 構造・設備の情報を統括するのは、最終的に建築家ですから、お施主さんに「この建物はこういう構造形式になります」と伝えるのも建築家です。だから、一般の方々にはそもそも構造設計者との接点がありません。よって、建築物の構造設計も何から何まで全部、「建築家がやっている」と思うのです。